歯並びが気になる方へ
歯並びが悪いと、歯みがきがしにくくてむし歯になりやすくなったり、歯並びの悪さがコンプレックスになって、本来の明るい笑顔が見られなくなってしまったりすることもあります。
子どものうちに矯正を行なえば期間が短くすみ、肉体的、精神的、経済的な負担が少なくて済むことがあります。
大人になってからでも、矯正をすることができます。
下のような歯並びが気になるようでしたら、一度ご相談にいらしてください。
上顎前突(じょうがくぜんとつ)
一般的に出っ歯などと呼ばれてます。
上の前歯や上あごの骨が前に出ている状態や、上あごが出ているのではなく、下あごが後ろに入ってしまっている状態、あるいはその両方が同時に起きている状態を、上顎前突(じょうがくぜんとつ)といいます。
笑うと前歯の歯ぐきが出てしまうガミースマイル(上の歯茎が目立つ)になる場合もあります。
反対咬合(はんたいこうごう)
下顎前突と呼ばれることもありますが、一般に受け口とも呼ばれています。
下の前歯が上の前歯より前にある状態です。
外側からは、下の唇が出ているように見えたり、下唇が厚く見えたりします。
また、下の前歯や唇を無理に唇内に閉じ込めようとして、頬が緊張しているように見える場合もあります。
開咬(かいこう)
奥歯をかんだ時に前歯がかみ合わず、開いている状態を開咬と言います。
指しゃぶりや舌を出すクセがあったり、遺伝などが原因でなることがあります。
前歯で食べ物をかみ切れなかったり、話すときに正しい発音ができない場合もあります。
叢生(そうせい)
歯がこみあって並んでいる状態で、乱ぐい歯とも言われます。
八重歯も叢生(そうせい)の一種です。
あごの広さと歯の大きさのバランスが悪いため、狭いあごに歯がきれいに並ばず、でこぼこに重なりあってしまいます。
床矯正について
床矯正(しょうきょうせい)とは?
床というのは入れ歯のことで、床矯正は、入れ歯によく似た装置で矯正治療を行います。
床矯正の装置は、歯を移動させて歯並びを整える治療と、舌などのお口の機能を改善する治療の、二つの矯正治療を行なう目的で使われます。
歯並びが悪くなってしまうのには、4つの原因があるといわれています。
- 歯と歯列の位置の不調和
- 歯の大きさとあごの大きさの不調和
- 上下のあごの不調和
- 歯と歯の機能の不調和
6~7歳の段階で、床矯正を行うのがベスト
患者さん本人やお父さんお母さんが、子どもの歯並びの悪さに気付かれるのは、大体6~7歳ごろです。この時期に、上下の前歯が重なって生えてくるからです。
最近の子どもはあごが小さくなったと言われますが、その影響で、並びきれない歯が重なってしまうのです。
ですから、かたいものをよくかんであごを成長させるか、床装置、またはクロザート矯正装置であごのスペースを拡大すれば、歯がきれいに並ぶようになります。
6~7歳の段階であごが小さいことが分かったときにすぐに床矯正をしておけば、お子さんの負担も、親御さんの経済的な負担も軽くて済みます。
「様子を見る」と言ってそのまま放置しておくと、9歳を過ぎたころになって犬歯の生えるスペースがなくなってしまい、複雑な歯列になってしまいます。
そうなってからの治療は、当然負担が大きくなります。
子どもは、10代中ごろまでが成長期です。
この時期にあごの骨を正しく発育させ、正しい歯並びで歯を正しく機能させるようにしていかなくてはいけません。
治療方法について
単に歯がきれいに並べばいいという視点で治療をしたり、成長途中で抜歯してしまうと、あごの筋肉や口とその周りのバランスを崩す危険性があります。
床矯正は、あごを拡大する非常に合理的な治療です。
歯を並べるためだけでなく、舌や口の周りの筋肉も正しく機能するように治療していきます。
(成人の矯正の場合は、顎関節症との兼ね合いで抜歯を選択することがあります。
また、成人はあごの成長が終わっていますから、床矯正の方が負担が大きい場合には、抜歯をすることもあります。)
床矯正と、抜歯による矯正の比較
矯正スペースの作り方
抜歯による矯正抜歯による矯正方法では、歯の重なりをなくすために必要なスペースを確実に作ることができますが、抜歯をしてあいたスペースと、歯の重なりをなくすために必要なスペースが、必ずしも一致しない場合があります。(スペースに余裕がありすぎたり、あと少しスペースが足りなかったり等…)
床矯正床矯正治療は、歯の重なりをなくすために最適なスペースを作ることができます。
あごの成長
抜歯による矯正あごの成長が終わる前に抜歯矯正をしてしまうと、あごや顔の筋肉を成長させることが難しくなります。
床矯正4歳~10歳から矯正治療を開始すれば、あごや顔の成長を促すことができます。
取り外し
抜歯による矯正基本的に、ワイヤーを取り外すことはできません。
床矯正床矯正装置は入れ歯に似た装置です。患者さんの都合によって、学校に行く間や写真撮影があるとき、発表会のときなど、好きなときに装置を取り外すことができます。
反対に、取り外しができるために、床矯正装置をなくしてしまわないように気をつけていただくこと、1日20時間以上装着していただくことなどの協力が必要です。
むし歯のなりやすさ
抜歯による矯正ワイヤー矯正は装置をつけたままなので、むし歯になりやすいと言えます。
床矯正床矯正装置は、歯を磨くときに取り外すことができるので、口の中を清潔に保ちやすいです。
クロザート矯正法
多く行われている方式は、歯にブラケットを取り付けて、ワイヤーで、動かします。
これと違い、今や少数派のクロザート矯正法では、ブラケットを取り付けずに、歯の裏側に取り外し式の金属製の装置を付けて、なるべく歯を抜かずに時間をかけて、動かします。
利点について
- 歯を抜かないで治せるケースがほとんどです。
- 治療中、ほとんど人に見えません。また、毎日自分で外せるので、歯磨きがしやすいです。
- 顎骨の幅を拡大するので、姿勢がよくなり、全身の健康に良い。
*広く行われているように、小臼歯4本を抜いてきれいになっても、頭痛や、肩こりに一生悩まされる人もあります。
欠点について
- 治療期間が長くかかることが多い。
- したがって、治療費が高い場合が多い。
(アメリカでは、クロザート矯正法は、おおむね、他の方法の2倍ぐらいの費用がかかるといわれています。)
当院では、最初に治療費84万円(税込)をいただきますが、追加の費用は無しで、最後まで、治療いたします。
違う装置が必要な場合も、追加の費用はいただきません。 通院の都度のお支払いも、ございません。
ただし、まだ必要な装置を、紛失された場合は、再製作料(実費です。1つの装置につき52,500円、上下二つで105,000円)を、お願いしております。
(まれに、何回も紛失される方がございまして、やむなくこのようなシステムになりました。)