顎関節症の症状
次のような症状があったら、顎関節症です
- 口が大きく開けられない(指3本がたてに入らない。)
- 口を開けたり閉じたりするとき、あごの付け根から音が鳴る
- アゴの関節が痛い
- 噛み合わせに、ずれや違和感がある(顎位に異常を感じる)
- 口をスムーズに開閉することができない(カックンとなる)
- 口をまっすぐ開けたり閉じたりできない(斜めにあけたり、閉じるときにカックンとなる)
- 口を開けたまま、閉じることができない
上記に挙げた症状の他、肩こりや頭痛、めまいや耳鳴り、顔がピクピクする、目がチカチカするといった、一見歯やあごとは関係のなさそうな症状が出ることもあります。

顎関節症の原因
大きく口をあけて、静かに、ゆっくり、お口を閉じてきたとき、始めにどこかの上下の歯が触れる時の顎の位置(自然な顎位)と、咬みしめた時の顎位がずれていたりすると、骨格にとって、無理な顎位でのかみ合わせを強いられることになるので、顎の関節円板や顎を動かす筋肉に負担がかかります。
その結果、筋肉が疲労して、または関節円板(軟骨)がすり減って、時には関節の骨そのものがすり減って、様々な症状が現れます。
Ⅰ:顎位のずれ
顎位がずれる原因
- 片方の親知らずが隣の歯を押してきて、押された歯が提出したり
- 自分の歯の形やあごの動きに合わない詰め物やかぶせ物を入れて我慢していたり
- 成長期に片方ばかりで咬んで、ゆがんだ発育をしていたり
Ⅱ:ブラキシズム (食いしばり、と歯ぎしりがある。)
歯ぎしりがひどく、そのために片方の顎関節の軟骨(関節円板)が擦り切れてしまっている方もあります。
CTの画像を見れるようになってからは、軟骨のみならず顎関節の骨そのものが一目でわかるほど、すり減っている方もいらっしゃいます。
食いしばり、歯ぎしりの原因はよくわかっていません。
単なるストレスや、何かが原因で、または、おそらく脳に何か問題があって、間違った、あるいは必要のない命令が筋肉に来ているとしか考えられないような気がします。
脳腫瘍の末期の患者様のひどい全身の痙攣をみて、多くの方にみられる、歯ぎしりに通じるような気がしたことがあります。
(これはそのときの私の感想、想像ですが・・・)
それで、治療としては、不可逆的なことを、なるべく行わないで、とりあえず骨のすり減りを防ぐこと、すなわち次の1.の方法がまず第一に行われることが多いです。
顎関節症の治療
顎関節症の治療方法
- スプリントというマウスピースを入れて、寝ているときの過剰な食いしばり、歯ぎしり(顎位の大きな変位)から関節、筋肉を保護する方法
- 詰め物やかぶせ物を修正する方法
- 歯ならびを矯正する方法
- 歯のかみ合わせを調整する(出っ張った歯を削る)方法
- 自然な顎位で、左右の奥歯が同時に当たるように低い歯をかぶせて高くする方法
いずれにしても患者様の意思、判断がはっきりしてくるまで、手が出せないことも多いです。
ご希望の事以外はいたしません。
ケースにより、なるべく病因の徐去になるように治療方法を考えます。
(1.の対症療法以外に手が出せないことも多いです。)
原因はご自分でもわかっていても自然の歯を削って低くしたり、かぶせて高くしたりすることに迷われても、ごもっともです。
患者様のご意見と、医師の見解が一致した場合にのみ、不可逆的な治療に踏み切れます。
1~2年もしてから、患者さまの決断、確信のもたれる場合もございました。
患者様の歯の状態と全身の症状を総合的に診断して、治療方法を考えてゆきます。
気になる症状がおありの方は、遠慮なくご相談ください。