当院のむし歯治療の考え方
歯が痛むときや、詰め物やかぶせ物が取れてしまったとき、しみるときなど、ご相談ください。
あなたのご希望やお悩みに応じて、相談しながら治療方法を考え、ご納得いただける治療をいたします。
また当院では、痛くない・なるべく歯を削らない・なるべく歯を抜かない治療を心がけています。
本当は、なんともない時にお掃除にお越しいただいて、いたまないため、悪くならないためのお手入れのポイントをお話して、削らないようにもたせたいと思っています。

むし歯ができるしくみ
歯には細菌が住み着いています。「歯くそ」:歯垢:は、ばい菌の塊です。
虫歯菌の排泄物は、酸性が強く、その酸が歯を溶かしてしまいます。
これがむし歯です。
歯垢はプラークとも呼ばれ、食べ物の残りかすではなく、口の中で増殖した細菌のかたまりです。
口の中に住む細菌の種類はとても多く、糊のようなもので歯の表面に付着して増殖を繰り返していきます。
歯垢がなければ、10年経っても虫歯も歯周病もできません
みなさまにそのようになっていただくために懸命に働きます!
また、飲食物を口にすると細菌の働きで、口の中が酸性になり、そのたびに歯のカルシウム分が少しずつ抜けていきます。
通常は唾液の力でこの酸が中和されて、抜け出したカルシウム(とリン酸)が再び歯の中にしみこんで修復されます。
これが再石灰化と呼ばれる現象です。
お口の中の衛生管理をしっかり行いましょう
一日に何度も甘いものを食べたり飲んだりしていると、再石灰化のスピードが、抜けていくカルシウムの量に追いつくことができなくて、むし歯へと進行していきます。むし歯は怪我や風邪などとは違って自然に治ることがなく、放っておくとどんどん進行してひどくなってしまいます。
そのため、むし歯になってしまったところは削って、詰め物やかぶせ物を入れる治療をすることになります。
でも、なるべく自分の歯は削りたくはないですよね?
もうできてしまったむし歯は治療するしかありませんが、これ以上むし歯が悪くならないように、そしてこれ以上むし歯の歯が増えてしまわないように、お口の中の衛生管理をしっかりと行っていきましょう。
むし歯の進み方
学校の歯科検診などで、歯医者さんが歯を見ながら「C1」とか「C2」とか言っていたのを覚えていますか?
ご存知の方も多いと思いますが、あれはむし歯の進行具合のことです。
ちなみに「C」は「カリエス:caries」の略で、英語で「むし歯」の意味です。
専門的には、日本語でむし歯のことを「齲蝕(うしょく)」と言います。
むし歯は、程度によって4段階に分けられています。

虫歯の種類
「C0」脱灰(だっかい)
自覚症状は全くありませんが、歯医者さんに行けば見つけてもらえます。
この段階のむし歯の場合、歯を削らなくても、大抵は歯磨きやフッ素を利用することで治すことができます。
「C1」歯の表面(エナメル質)のむし歯
歯の表面をおおっているエナメル質が溶けている状態です。
黒い着色や白い斑点がありますが、自分で見つけるのは難しいです。
痛みはあまり感じませんが、舌で触るとザラザラして、歯の表面が白くにごっています。
むし歯になっている歯の表面を削って詰めるだけの治療になるので、注射も、痛みもなく簡単に治すことができます。
「C2」歯の中(象牙質)のむし歯
歯の中の象牙質まで進んでしまったむし歯です。
噛むと痛かったり、冷たいものや甘いものが歯にしみるといった自覚症状が出てきます。
痛みを伴うので、麻酔を打ってから治療することになりますが、この段階でも基本的にむし歯を削って詰めるだけなので、通院回数もそう多くなく治すことができます。
藤原歯科クリニックでは、レーザー光線で、虫歯菌の量を測ることにより、削るべき虫歯か、削らないで再石灰化を待つべきかを、数値で判定して、示してくれる装置を使ってなるべく削らないように努めています。(無料)
「C3」神経まで達したむし歯
歯の中の象牙質からさらに奥の神経(歯髄:しずい)近くまで進んでしまったむし歯です。
冷たいものよりも熱いものがしみるようになります。
炎症を起こして神経が圧迫されるため、ズキズキ痛みます。
神経を取る治療(根幹治療:こんかんちりょう)が必要になると、通院回数も多くなります。
「C4」歯の根まで進行したむし歯
歯の頭の部分(歯冠部:しかんぶ)がなくなって、ボロボロの歯の根の部分(歯根:しこん)だけが残ります。
神経(歯髄:しずい)が死んでしまっているので、痛みを感じることはあまりありません。
歯の根元に膿がたまっていると、あごの骨に細菌が感染する場合もあります。
たいがいは、歯を抜くことになりますが、歯の状況によっては抜かずに歯を残せる場合もあります。
それぞれの段階における治療方法は、むし歯の細かい進行状況と、治療する歯医者さんによって変わってきます。
早い段階であれば、治療にかかる時間・お金・精神的な負担が軽くて済みます。
あなた自身の大切な歯ですから、定期健診をして歯を守ってくださいね。
むし歯になる条件
むし歯になる原因をいろいろ挙げることはできますが、そのうちの一つの原因によってむし歯になるというよりは、いくつもの条件が重なってむし歯になることがほとんどです。
むし歯のなりやすさ・なりにくさに関係していると言われるものをいくつか挙げてみます。
- 口の中の清掃状態
- プラーク(歯垢)の蓄積状態(細菌の量)
- 唾液の分泌量
- 唾液の酸を中和する能力
- フッ素を利用しているかどうか
- 歯の質
- 歯の形
- 歯並び
- 全身疾患があるかどうか(特に口腔内乾燥症、口呼吸、糖尿病)
- 喫煙しているかどうか
- 食事の内容(砂糖の量)
- 食事の回数
- 食事してから磨くまでの時間
むし歯のなりやすさ・なりにくさに関係していると言われるものを挙げてみると、大まかに、先天的な要素と後天的な要素に分けることができると思います。
先天的な要素にもともと恵まれている人はうらやましい限りですが、仮にそういった要素に恵まれていなくても、日常生活を改めることで、むし歯を予防することができます。
むし歯になる条件をチェックしてみることが、むし歯の予防につながります。
あなたも、自分の口の中や生活習慣をチェックしてみましょう!



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