滅菌・院内感染対策について
「手術をするわけでもないのに、歯科医院で滅菌や消毒にそこまでこだわるの?とおっしゃるかもしれません。
歯の神経を取ることは立派な手術です!歯石をとるときも、多少出血を伴うことがあります。
そのときに、もし治療器具の滅菌や消毒が不十分だとたいへんです!
B型肝炎やC型肝炎、エイズなどに感染する危険性が高いことは当然です。
患者さんに安心できる医療、安全な治療を受けていただきたいという思いから、当院では、滅菌をはじめとする院内感染予防に力を入れています。

当院の滅菌・院内感染対策
滅菌と殺菌と消毒の違いをご存知ですか?
消毒:病原微生物をある程度殺すこと。
殺菌:病原微生物を殺すこと。消毒よりは強いのですが、まだ不十分です。
滅菌:物質中の全ての微生物をその芽胞(卵)まで殺すこと。完全な処理です。
当院では、診療器具や器械について、すべて患者さんごとに加熱高圧ホルマリンガス蒸気滅菌器(ケミクレーブ)、または目的により、高圧蒸気滅菌(中でも、数回真空吸引と水蒸気加圧をくりかえす、欧米水準のクラスB滅菌)を行なっています。
診察基本セットの「歯科用ミラー・探針・ピンセット」のみならず、エアータービンも、リーマー(神経を取る針)も使用のつど、滅菌パックに入れて、すべてクラスBオートクレーブ(加熱高圧水蒸気滅菌器)、またはケミクレーブにより滅菌しています。
また、紙コップ、麻酔針、麻酔の薬液カートリッジは、当然ですが、すべて1回限りの使い捨てです。
中性殺菌水の給水
歯科医院の給水管の中に細菌の繁殖があることが報告されてから、20年たちました。私は安全な治療台を使いたい一心から電解中性殺菌水を選択して、すべての診療台から電界中性殺菌水以外の水が出ない診察室をつくりましたのが、16年前、現在の診療所を建てるときに決断しました。当院の診察台から出る水は、衛生的で無害の水道法適合(飲んでも安全)の電解中性殺菌水です。やや弱いカルキのニオイがします。
ほとんどすべてのウイルス、細菌を数秒で殺菌します。
院内のすべての上水道配管は、内面に汚れの付きにくい医療用の配管です。
配管の中で細菌が繁殖しないので、神経の穴や、手術部位、傷口を安心して洗浄できます。
お薬を飲んでいただくときはおいしいミネラルウオーターを別にご用意いたします。

ダストフリー・エアーコンプレッサー
お口の中に出るエアーは、ほこり、かび、細菌、ウイルスのない安全なものです。
最新の日立製作所製のオイルフリー・ダストフリーで、ステンレスタンクのコンプレッサーを空気のきれいな中庭に面して設置して、そのエアーをエアードライヤー、ウィルスまで除菌できるフィルター内蔵フィルターを通過して治療台に送っています。

大型の静電吸着式・空気清浄機
待合室から、奥の技巧室に向かって自然に空気の流れる設計の構造に加えて、
天井取り付け式の大型空気清浄機3台を、24時間運転中です。
カビ菌、細菌、ウイルス、花粉、を吸着します。
専門業者により、2ヶ月ごとに吸着版を交換しています。
花粉症のスタッフも院内では15分で鼻がすっきりするそうです。

業務用の大型、シャープ・プラズマクラスター空気清浄機
空気中の、カビ菌、ウイルス、細菌を無力化できる装置を待合室に設置して、インフルエンザの拡大に備えています。
院内感染予防システム
患者さんに使用する器具は、患者さんごとにすべて滅菌処理しています。(滅菌とは、すべての細菌を芽胞も含めて完全に死滅させることです。)
お一人ごとに加熱滅菌処理しているもの;
- 診察基本セット(歯科用ミラー、ピンセット、歯周ポケット用探針・スケーラー)
- 手術器具
- エアータービン(高価ですが35本用意して、おひとりずつ交換します。昼休みと夕方には滅菌しています。)
- バキュームの管先
- タービンのダイヤモンド・バー(歯を削るドリルの先端部分です。)
- リーマー、ファイル(歯の根の治療をするときに、細菌に感染した歯質を掻き出す針状の器具です。)
- リーマーケース(リーマー、ファイルのステンレス製の箱)
(加熱できないプラスチックのリーマーケースに薬液を入れても、前の患者様の治療から何分経っているか、いつ薬液を交換したか考えると、とても危険です。)
使い捨てにしているもの
紙コップ/注射針/麻酔液カートリッジ/グローブ(ゴム手袋)/ラバーダム/紙ドレープ(覆い布)